9月14日は今年5回目の庚申(こうしん)の日です。
金が重なって天地が冷ややかになるので特に注意すべき日です。
金というのは庚申の庚(かのえ)申(さる)とも
五行説の「金」というものに属することから出た考えです。
五行説の「金」はお金とは違い
人が冷たくなる(冷酷になる)日とされています。
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庚申の日の由来は平安時代に
中国の道教という宗教から伝来した三尸説が由来で
「庚申信仰」といいます。
人体の中に3匹の虫《三尸(さんし)》が潜んでいるとされ
・上尸(じょうし)
人の頭の中に潜み、首から上の病気を引き起こす。
・中尸(ちゅうし)
人の腹の中に潜み、臓器の病気を引き起こす。
・下尸(げし)
人の足の中に潜み、腰から下の病気を引き起こす。
この《三尸》は人が死ねば自由になれるので
人の寿命を縮めようと隙を狙っています。
普段は体内から出れない《三尸》も庚申の日だけ
人が眠っている間だけ体内から出られます。
人が眠った後、天帝(閻魔大王)に人間の悪行を報告をします。
そうすると閻魔大王は人の寿命を縮めてしまうのです。
人間はそれは大変!と庚申様(青面金剛)を祀ったり
寝ずに過ごしたそうです。
これを《庚申待(こうしんまち)》といい
寝ずに神仏に祈り、夜通し和歌を詠んだり
お酒を飲み、皆で集まり大騒ぎをしたそうです。
それが祭りとなり
《庚申待》を18回繰り返すと、その記録として
庚申塔や庚申天と刻まれた石碑を建てるようになり
その為、いたる所に石碑があったそうです。
明治時代になり《庚申信仰》は迷信だという政府に
石碑が破壊、撤去されました。
今も残る石碑は、明治政府による破壊から免れたものです。
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庚申様という神様は、神社でも祀られています。
その場合は青色金剛ではなく
日本神話にも出てくる猿田彦という神様と同一とされます。
猿田彦を祀る神社では
庚申の日に道開きや厄除けなどのご利益に預かるという庚申祭をしています。
庚申塔、庚申塚と呼ばれる石碑の多くは
青色金剛とその上に”太陽や月”、下には”鶏”と
「見ざる聞かざる言わざる」で有名な”三猿”が彫られているのです。
庚申塔、庚申塚に彫られる三猿の由縁には様々説があり
庚申の申(さる)が動物の猿とつながるからと言われます。
三猿は庚申様のお使いとされます。
またこの猿は
日本の神様の猿田彦と庚申様が同一視されたことにもつながります。
「申→猿→猿田彦」
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庚申とは
読み方は(かのえさる)(こうしん)と読みます。
私たちは《年月日》《時間》を数字で表しますが
その昔は干支(えと)を使って表していました。
干支(えと)とは、十干十二支(じっかん・じゅうにし)ことです。
十干(じっかん)は馴染みがないかもしれませんが
干支の[干]の方で、[陰陽五行説]からきている十文字
甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
十二支は干支の[支]の方で毎年やってくる動物
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
上記がそれぞれ組み合わされ60通りあり
その中の一つが庚申になります。
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